以下の文章は2011年3月11日に書かれたもので、このブログを作るに至った経緯を紹介しています。
※長い文章な上に、愚痴も多いし、ビデオも不謹慎コードかもしれないので、そんな人はこちらを見て引き返すのが良いかも。
(http://www.youtube.com/watch?v=ar6fz4H8Whw )
今回の東日本大震災で、日本にいる大切な人々が被災しました。
海外にいると、日本に居るのとは違った視点の情報が入ってくるので、私個人としては地震そのものよりも、放射能汚染を心配しています。
連日の「日本人は頑張っている」等の報道によって、現地に「日本人」でない知り合いを思ったり、あるいは「もう頑張れない」とは普段から言いづらい日本の状況、そして未だに続く、しかし「頑張っている」美談に消されてしまった9/11の報道の在り方などを思い出します。
また「その場」にいない無力感にもさいなまれます。心配だと大切なする人に伝えても、私が得た情報を伝えても、かえって大切な人をを疲れさせたり、「大丈夫、あなたはここにいないんだから心配しないで」と笑われます。
こちらの人に「家族や友達は大丈夫?」と聞かれて、幸いにも「(血縁関係のある家族や友達は)大丈夫だよ」と応えることが出来たとしても、「家族」と認定されない大切な人々や、自分がそこで生きていた感覚が思い出され、すべては被害者の数や、生き物としての生存、壊れた家屋の有様だけでは説明の出来ない。
福島原発周辺のみを「被災地」とするメディアのせいで、東京以南の人々が、あたかも自分たちは「被災地」でないかのように日常生活をしているのを見ると、もっと遠くにいる自分は「冷静」に「しっかり」しなきゃいけないな、という気持になります。私には、国籍と家族の安否という二点以外に悩む資格などないのではないかという思考にさえ、気がつかないうちに陥ります。
しかし、私がもしそう言ったとしたら、「国籍」や「家族」や「学校」などという枠組みを越えた仲間かもしれない人や物事…無国籍者、路上生活者、、在日、無職、引きこもり、障がい者、道ばたであった人、戦友のような仕事仲間、ナンパしておいて飼い犬の写真をくれたおじさん(自分のことを「俺はチキータ」って田園都市線の中で言って来た変わり者の会社員)、移民、非異性愛者、トランスだったり男女という枠に疑問を持つ人、宗教の仲間、音楽、木々、海、魚、米…の境界線がかすんでしまうのです。
こんな今、私には「冷静」ではいられないし、「しっかり」も出来ません。
今まさに刻々と変わってゆく、被災地で生きた自分の身体が、まるで自分がそこにいたかのように、本当にしんどいのです。私の身体はふわふわとしています。身体が動かない、眠れない、思考のしすぎ或は思考停止、無理な作り笑いや泣くことしか許されないような感情抑制に気づくのです。まったく眠くならないのに横になっていると、寝たとしても起きたときに、身体が泣かない分だけの熱をためこんで、自分の身体自体が原子炉かのようにさえ思えてくるのです。
私は「しっかり」できない、「冷静」でいられないのも、被害であると思うことにしました。この苦しみを今生きている人、また別の苦しみのある人…とにかく誰に「資格」があるかなどと格付けをするのは一番良くないと思いました。今後ももしかしてトラウマになるかもしれないし、もしかして幸いにも私たちの心配は取り越し苦労かもしれない。どう考えていいのか正直わかりません。
ただ「被災地」という言葉でくくりきれない苦しみを得た身体と心を、私は取り戻したい。
とりあえず、一般の方というより、いろいろな情報を浴びたり、馴れないものや見たくない見たりして疲れている横浜の母親と、留学中の友達、それから長いこと家に引きこもっていて地震の前から足の踏み場もない状態で障がいのある友達、そして私自身のためにビデオを作りました。私にとって今日自分に出来ることの一つでした。
簡単に出来るストレス解消法:りんご丸かじり:Apple eating as a coping strategy
http://www.youtube.com/watch?v=82nNPEKo0aw
普段から気にかけてくれている同居人や、その場に居合わせた人を巻き込みました。緑の帽子の人は親友で、昔は日本で働いていたのですが、「どう振る舞って良いかよくわからないし、私なんて部外者だし」と言いかけてたんですが、私にとっては、今私がぐちゃぐちゃなのを気にかけてくれている人なので、部外者だなんて思えません。
「無理して深刻な顔しなくていいよ、向こうはそういうのテレビでずーっと見てるし、ラジオ体操さえ流れてないんだから(3.12時点)」と伝えました。リハーサルを一回したのと、撮影前にもやはり落ち込んで自分がりんごをかじっていたので、今日は軽く林檎ダイエットとなりました。一時的ですが、本当に気がまぎれました。
自分自身に悲しみも笑顔も強制したくない、今生きてることを感じたいという私の気持で作ったものなので、見る人の状況によっては「良いご身分のくせに不謹慎だ」と思われるかもしれませんが、御了承下さい(共有も大丈夫ですが、この文章を添えてもらえると助かります)。
ご意見や、他にこんな方法もあるよ、というのがあったら、自分のためにまたビデオを作りたいのです。外に出なくても、電気がなくても、友達がいなくても、障がいがあっても出来るような方法を探しています。呼吸法の共有を考えています。
(text: Umi edit: Miriam Bird Greenberg)
(video: Miriam, Patrick, Saul, Silver, and Umi)
hey, umi! it is awesome! i appreciate your thoughts and apple eating project!!! love it! miwa S from ny
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